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トレーディング、Arts&Logic by 田中 雅

第III部:順張り手法とシステム

第3章:順張り取引の行動計画

2009/11/25

そんな馬鹿な、何故買っていない??

収益を上げる為の最低必要条件

簡単なたとえ話。この1ヶ月間でドル円が100円から110円に上昇してきたとする。110円に到達したときに、自問する。何と言うことだろう、これだけ毎日FX市場を見て頑張っているのに、ここから何の収益も得ていない。いったい何処が悪かったのだろう?

私が収益を上げる事が出来ない理由はいくつも挙げられる。とりわけ重要なのは収益を上げる前提となる絶対必要条件を満たしていないことである。その絶対必要条件とは何か?
買っていなかった。それに尽きる。私は正しく予測していたかもしれない、レポートにも書いて有った、上がると。ところが、自分は何故か買っていなかったのである。なぜこんな馬鹿なことが起きるのだろう。しかも毎日のようにそれは起きるのだ。「ご利用は計画的に」。犬にさえ備わっているらしいあの計画性が、私には何故無いのだろうか?

マーケットご利用計画

上がったときに絶対に買っている、あるいは下がったときに絶対に売っている、このような行動計画は果たしてあるのだろうか?それだけで全てが解決するわけではない。しかし、それを解決しない限り、肝心のゲームそのものが始まらないのである。

答えは幾つかあるにちがいない。既に見てきたように多くの賢人がその答えを出してきた。前章で延べたようにその殆どが実は「順張りのブレークアウト」だった。つまり100円と110円の間に、どこかに事前に買いストップ(=買い逆指値)を入れておくのである。こうしておけば110円に到達したときにあなたは必ず買いポジションを持っている。絶対必要条件が満たせるのだ。買いストップを通過しないで110円には絶対に到達できないからである。
問題はその買いストップを何処に線引きするかである。どのようにそれを運営管理するかである。

順張り・チャンネル・ブレークアウト

1993年にそれまで世界で最も有名だった順張りブレークアウト行動計画モデルの一つが有料とは言え超格安で公開された。それだけではない、その数年後、こちらが本家本元とされる別のバージョンが完璧な形でしかも無料で公開された。
そのモデルはすでに数百億円に相当する収益をモデルの創始者と実行者にもたらしていた。行動計画としては完璧な体裁を整えていた為、多くの人がそれに魅了された。タートル・ルールである。地球上で書かれた最も単純でかつ美しい取引の仕組み、順張り・チャンネル・ブレークアウトの米国版青写真が明かされたのだ。

話の始まりは、さらにその10年前、1983年に遡る。

タートル・プロジェクト

デニスとエックハートの賭け

リチャード・デニスとウイリアム・エックハート
(画像:リチャード・デニスとウイリアム・エックハート/画像提供:パンローリング社)

1983年、当時最も成功していたトレーダーだったリチャード・デニスとウイリアム・エックハートは、取引の才能は生まれつきのものか、それとも教えることが出来るものなのか議論をしていた。際限の無い議論に決着を付けるために二人は賭けをした。デニスが生徒を取り、短期間にデニスと同じような運用成績を上げられるトレーダーに育成できるかどうかの賭けである。

1983年ウォール・ストリート・ジャーナル紙、NYタイムズ紙、バロンズ紙に生徒募集の一面広告が打たれ、これは全世界金融界の話題をさらった。当時私はシカゴ先物市場取引を始めて2年目の新米だった。オランダの自宅でこのウォール・ストリート・ジャーナル紙広告を見てため息を付いたのを鮮明に思い出す。アメリカン・ドリームが目の前にあるという思いだった。何と言う素晴らしい企画なのだろう。

タートルズ

1000人程の申込者があり、80人が面接に選考された。10人が採用され、さらにデニスが個人的に既に決めていた3人が加わり、13人が1983年12月にシカゴに集められて市場取引の集中教育が2週間行われた。採用された生徒は大多数が取引とは全く無関係の人々だった。1月には小額で練習取引が始まり、2月には50万ドルから200万ドルまでの運用資金が与えられ本格取引が始まった。4年後、彼らは平均年率80%の収益を上げていた。大成功で終わったこのプロジェクトはタートル(亀)と呼ばれ、生徒たちはタートルズという称号を与えられ、独立した。

ルール公開を巡る争い

デニスが教えたルールは秘密保持契約で10年間保護されていたが、10年後1993年になっても誰もこの秘密を漏らそうとはしなかった。ところが、このタートル・プロジェクトから中途脱落したある生徒がルールを本にして有料で公開し始めた。しかもそのベストセラーとなった今でも有名な本の内容は、誤りだと残りのタートルズが指摘した。このいわゆる本家タートルズは、正しいルールを無料で公開する以外、有料公開された間違った教えが世に広がる弊害を防ぐ手はないと判断し、全ルールを無料で公開した。

以上のストーリーとルールはThe Original Turtle Trading Rulesと名付けられoriginalturtle.orgにてネット公開された。以下はそのダウンロードの個人的要約である。
機械的に約しており、内容が正確に訳されているかどうかの特別なチェックは行っていない事を了承いただきたい。このオリジナル・サイトはその後何らかの理由で閉鎖されたようだ。現在類似のものが名を変えて残っているが私の記憶とはかなり異なっている。内容はネット上のいたるところで議論されているので追跡調査は難しくない。

タートル・ルール

次の要点を、全て事前に定められたルール(タートル・ルール)に基づいて機械的に取引する。

  • 何を取引するか。
  • どれだけ取引するか。
  • 何時どの水準でエントリーし、如何にポジションを追加するか(ピラミッド)。
  • 最大損を限定する固定損切りを何処に設定するか。
  • ポジションを如何にして閉じ、利益ないしは損失を確定するか。
  • 以上の注文を如何に執行するか。

取引市場

長期トレンドが発生する潜在的可能性がある市場を出来るだけ幅広く分散させて取引する。シカゴとNYの主要先物商品をほぼ全て網羅する。

マネー・マネジメント:どれだけ取引するか。つまりどれだけのリスクを取るか。

取引量は取引手法と同様もしくはそれ以上に重要であると認識する。賭け(ギャンブル)の理論として発達したマネー・マネジメントと言う運用手法で、最大収益、最小リスクの達成、破産確率の減少を統計的観点から試みた。分かり易くするためにNという尺度を考案し、エントリーから2N離した価格水準に固定幅損きり注文を置いた。
これが執行されると運用資産の2%丁度失うように取引額を定めた。
Nは該当商品の20日間レンジ平均に等しい。

エントリー

リチャード・ドンチャンが発案したとされる最も古い取引システム:高値安値・チャンネル・ブレークアウト手法を採用した。
チャンネルの適正化を取引対象ごとには行わず、ユニバーサル・パラメータのアプローチを採用した。
さらに、トレンドが発生すればするほど、トレンド方向に数学的規則で機械的にピラミッドを積み上げる手法を採用した。
こうしてひとたび長期トレンドが発生したあかつきには最大許容限度までトレンド方向にポジションを張っているように工夫した。
55日ブレークでエントリーするシステムをメインとし、副次的システムとして20日ブレークを併用した。二重チャンネルと言う概念で取引した。

損益確定イグジット:利益ないしは損失を確定させる手仕舞いのルール。

エントリーより幅の狭いチャンネル・ブレークの手法を採用した。55日エントリーに対しては20日でイグジット。20日エントリーに対しては10日イグジットで全ての先物商品を適正化無しに手仕舞い取引する。

売買注文の執行方法

エントリーもイグジットも、成り行きもしくはリミット注文による人為的エントリー手法で実行した。事前に注文するストップ・エントリーによる機械的自動執行を避けた(世界的に著名だったファンドの取引手口を市場に悟られない為の工夫)。

以上、タートル・ルールは「トレンドが発生した時には」確実にそれを補足し、しかも許容される最大取引量でポジションを保持して、大成功するように設計されている。そのような成功例は一年に数回しか発生しないことを前提としており、大成功するまで、ひたすらにドローダウンに耐え続けてルールを執行し続けると言う、難しい運用心理側面を持つ。

タートルは現在もこのルールを遵守しているか?

オリジナル・タートルズの著者(Curtis FaithおよびOriginal Turtles)の言明によると、ほとんどのタートルズは改良型を使用していると示唆されており、オリジナル・ルールをそのまま適用しているタートルがいるとは示唆していない。

システム取引の利点

次に、以上に述べたチャンネル・ブレークアウトを私がチャート上に書き込んだものを掲げる。チャンネル・ブレークアウトの視覚的イメージとして捉えて頂きたい。仔細な説明はネット上で多くの解説が提供されているので研究して頂きたいが、丸ごとコピーではうまく行かない部分も多い。さまざまな工夫と創意による変更が必要であり、デニスは成功フィルターという変わったフィルターを使用した。これはフィルターの項目で紹介する。

タートル・チャンネル・ブレークアウトのイメージ
(筆者提供画像:タートル・チャンネル・ブレークアウトのイメージ)

ここで最も注目すべきは冒頭に掲げた基本行動計画の体裁である。計画的なご利用とは何を指すのか、完璧なまでに明快なルールが述べられている。

  • 何を取引するか。
  • どれだけ取引するか。(特にこの部分は深い洞察と示唆に富み、素晴らしい。)
  • 何時どの水準でエントリーし、如何にポジションを追加するか(ピラミッド)。
  • 最大損を限定する固定損切りを何処に設定するか。(ここも素晴らしい。)
  • ポジションを如何にして閉じ、利益ないしは損失を確定するか。
  • 以上の注文を如何に執行するか。

模範的システム取引とはこれを指す。市場取引利用計画書のモデルであり、このどの一つが欠けても私が成功する機会は大幅に失われる。第二行のマネー・マネジメントのルールには、ボラティリティーに反比例してポジション量を設定する現代式計算方法が書かれている。損きり幅は汎用型であり、ポジション量設定と補完関係にある。何故そうなのか、完全に理解出来るまで何年も考え続ける価値があるほど、見事に計画されている。

市場予測を必要としない

さらに注目したい点は、この計画には予想と言う行為が全く含まれていないことだ。この事も再三にわたり熟慮する価値がある。私に必要なものは「予想」ではない「計画」なのだ。
完璧な「予想」は存在しない。しかし完璧な「計画とその実行」は存在しうる。なぜならその計画は、必ず失敗に遭遇するという前提で書かれており、「失敗に直面した際の事前行動計画」がその大半を占めているからである。負けの耐震設計図だと言える。

計画(特に負けの計画)の立案に時間とエネルギーを割く。その代わり、毎日の予測のストレスからは開放される。それがどれほど気楽で素晴らしい事かお分かりになるだろうか?損失に直面したときに「まさかこんなことになるとは」と考えるのと、「想定内、対処済み」と考えるのとどちらが楽だろうか?

圧倒的な利点が他にも幾つかある。注文さえ入れてしまえば、私はその日、いやいかなる日でも市場を見ている必要は特に無い。別の仕事や楽しみに時間を割くことが出来る。これは当時フルタイムのトレーダーではなく、音楽家だった私には絶対的な魅力だった。私が、順張りブレークアウトのシステム取引を採用したのは当然の結果だった。

2000年度以降の金融市場では、タートル・ルールの様な長期順張りが徐々に機能しなくなり、トレンド運用の大航海時代は2003年頃に(少なくとも一時的には)終わりを告げたと思われた。デニスが2000年に成績不振で顧客の解約が相次ぎ、ファンドを閉鎖したことは誰もが知っている。リチャード・デニスが数年前来日した時にインタビューで答えた処によると、彼は超短期の時間足取引をやって成功しているとの事だった。その事は知らなかったが、私も彼の手法が時間足では有効なことを、別途追跡調査して既に確かめていた。

いずれにしても彼は成功するに違いない。彼は市場に置ける(1)利用計画の立て方を知っており、(2)強い意志力と(3)実行力を持っているからだ。これこそがマーケットの魔術師の本質であり最大の成功条件なのである。

第III部:順張り手法とシステム 第3章:順張り取引の行動計画 田中 雅 2009/11/25