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トレーディング、Arts&Logic by 田中 雅

第VI部:逆張り

第3章:対称点を探り当てる

2010/4/23

第2章「価格変動の対称性」のまとめと、追加事項

この第3章では中央移動平均線の三叉点、すなわち主要な対称点を探り当てる手段を模索する。その前に第2章で述べたことを復習しておきたい。一度第2章の通読をお勧めする。次のような道筋を辿って、二次対称の中心点という概念にたどり着いた。

  1. まず第1章で、市場価格変動には確かな季節性(周期性)が存在する事をドル円の例で確かめた。この周期性を分析し、将来を予想して投機的収益を上げる具体的手段を模索する。
  2. 市場価格変動を多重周期の合成結果として理解すると分かりやすくなる。まず価格変動の親亀小亀構造を視覚的に把握する事を試みた。
  3. 絵画的概念である親亀小亀構造を、数値的概念であるサインカーブ(正弦曲線)の合成モデルに置き換えて、客観的な理解を試みた。その方がPC環境に馴染みやすい。
  4. 正弦曲線の多重合成結果から元の正弦曲線を分離抽出する手段として、フーリエ変換を紹介した。市場価格変動分析でこれを真似てみる。実際の価格変動から周期運動を分離する手段として、中央移動平均線を導入した。
  5. 多重中央移動平均線が一点で交わる三叉点の特異性に注目した。三叉点は価格変動対称性の中心点であることを理解した。恐らくこの近辺で行動すれば収益獲得の大きなチャンスがあるに違いない。
  6. アダムセオリーから、その対称性が二次対称であることを手と目で体得した。
  7. アダムセオリーは二次対称を見分ける訓練だった。しかしこの理論は対称点と言う概念に言及する事は無かった。これはある意味では正しい。と言うのも対称点は、天井や底と同じく後講釈でないと当てることが難しいからだ。
  8. もし対称点が簡単に特定できるのであれば、自動的に次の天底を当てることが出来る。逆に言うとそれは不可能な事なので、対称点を推定するのも同様に不可能に近いか非常に難しいに違いない。

ここまでが第2章の流れだった。本第3章では、如何にして二次対称の対称点を推測するか、その具体的手順の体得を試みる。題して「対称点を探り当てる」。

前章の追加事項

煩雑になるのを避ける為に、前回第2章では本筋から離れた細かい説明を全てカットした。そのため物事を深く考える方は、第2章を読んで大きな疑問を幾つか抱いたはずである。そこで最初に前回省略した事項の説明を追加しておきたい。プログラマーにとっては重要な情報を含む。また前回掲載後のフィードバックで得た新情報も次に挙げておく。

  1. 一次対称と二次対称という呼び方は古臭く、一次対称を線対称もしくは鏡対称と言い換えて良いのではないか?本章ではその様に言い換える事にする。また少し詳しい説明をAppendix(巻末付録)として本章の最後にまとめておいた。
  2. 二次対称を点対称もしくは回転対称と言い換える。Appendix参照。
  3. 対称性の実例として第2章で提示したチャートは、じつは価格変動の図形的対称ではなく、価格変動「率」の対称である。これは説明すると煩雑になるので前回は省略した。今回はAppendixに詳説した。内容が難しすぎると言う読者には読み飛ばす事をお勧めする。
  4. 重大な疑問:ランダム運動による擬似市場価格変動には、規則的反復パターンは存在しないのでは?存在しないのにそれを抽出し、未来を予想する手順として使おうとするのは無意味ではないのか?
  5. さらに重要な疑問:無意味だとしても、では中央移動平均線や、対称点とその前後の対称性が意味あり気に見えるのは何故なのか?

この最後の疑問点は余りにも重要で避けて通れないので、先にこの事に触れてから、その後で対称点を探る作業にとりかかりたい。

乱数列の海。その風景。

水平線

下図をご覧頂きたい。まず乱数520個を点で視覚化してある。発生順に時系列チャートに並べて点マーカー表示してある。乱数は0から1までの間で「一様分布」する。(正規分布やベキ分布を使っても良い)

さらに200データを計算枠とする中央移動平均線を描く。中央に位置するピンクの太線である。

画像:乱数520個とその200中央移動平均線、筆者作成エクセルグラフ
(画像:乱数520個とその200中央移動平均線、筆者作成エクセルグラフ)

大量のデータを扱うと、この水平線は0.5の水準を走る直線に近くなると想像できる。逆に少量のデータを扱うと乱数分布の不均衡が鮮明に浮上して、水平線は不安定になるだろう。それらはいったいどのような形なのだろうか?

波打つ水平線

次に100と50の中央移動平均線を図の上部に表示する。その差を図の下部に表示する。移動平均線を見易くするために、今度は乱数分布を表示しない。

画像: 乱数列に懸けた200と100と50の中央移動平均線、筆者作成エクセルグラフ
(画像: 乱数列に懸けた200と100と50の中央移動平均線、筆者作成エクセルグラフ)

そうすると単純な乱数列に中央移動平均を被せても、やはり親亀小亀構造が現れる事が分かる。これは水平線と波の関係に似ている。例えば完璧な水平線があったとし、そこに風でも吹いて波の山が一つ出来たとする。必然的にその周りには谷が出来る。水の分子の総量は一定なので、盛り上がった部分は周りから吸い上げる以外に作れない。そのために周りが谷になる。

海の風景

多重移動平均線はこの山と谷の境界を区分して見せてくれるのである。乱数列を中央移動平均線に変えると水平線が見える。観測枠の小さい中央移動平均線をさらに加えると波の姿が見えてくる。つまり乱数分布の局地的偏りを平均したものが波である。

この風景は移動平均線を中央位置に並べないと見えてこない。中央位置の重大さをここで再認識する。

次の行をクリックすることでエクセル・シートをダウンロードできる。F9ファンクションキーを押す度に新たな海の風景を作成できる。

乱数海の風景.xlsをダウンロード

擬似市場価格変動

第2章で作成した擬似市場価格変動は、この乱数を累積して時系列に表示したものだった。「累積する」が故に、乱数の上限である1をブレークアウトして過激に変動する。

擬似的価格変動は実際の市場価格変動とそっくりに見え、通常本物かどうかを見破ることは出来ない。それだけではない。収益機会さえも見えてくる。それが正常人の視覚(心理的視覚)らしい。欲望がさらに確信を強化する。

テクニカル分析者はそのような思い込みを共通言語としてコミュニケートするインサイダー集団なのだと言える。どこまで正しいか私には判断できない。正しいかどうかは議論しにくい。皆がそう感じて行動しており、この海はみんなで渡れば怖くないことが重要なのだ。

次のチャートは「乱数海の風景.XLS」に3番目のチャートとして組み込んである。うまくは説明できないが、波を直感的に体得できればと思い作成した。こちらには移動平均線よりも遥かにスムーズな多項式近似曲線(後述)を描いてある。僅か50個の乱数折れ線グラフから波の構造を視覚化してある。

画像: 乱数列50個の近似曲線、筆者作成エクセルグラフ
(画像: 乱数列50個の近似曲線、筆者作成エクセルグラフ)

対称の中心点(三叉点)を探り当てる

さて、第3章最大の焦点である対称点をこれから探り当ててみたい。対称点さえ巧みに推定出来ればその後の天底までの道筋を自動的に推定できる。

結論から述べると機械的にそれを達成する魔法の計算式は無いので、これは学ぶべき科学ではなく習得する芸術であり、熟練すべき技巧だと言える。そうなると恐らく手と目と直感でやるのが一番良いだろう。

私は長年それに習熟してきたのでヒントのようなものをお伝えすることは出来るかもしれない。まず視覚的な模索を始めたい。下図1をご覧頂きたい。

  1. これは本物の価格変動を表示したものである。2本の中長期中央移動平均線(太線)と、1本の細い短期中央移動平均線を描いてある。中央移動平均線は今日の時点(最後の価格データ)ではデータ不足の為に不明である。従って次に来る三叉点が何処にあるのか正確には知ることが出来ない。
  2. しかしながら、このまま市況が反復を続けると、E点の近辺に次の三叉点が出現しそうだと推測できる。その次はF点の近辺だと空想する。次に対称点Eを回転軸としてどのように回転対称形が出現するか思い浮かべる、もしくは手書きでチャートに書き込む。アダムセオリーによる訓練がこの作業に役に立つ。

画像:図1:中央移動平均線と推測三叉点、図2:強制延長された中央移動平均線
(画像:図1:中央移動平均線と推測三叉点、図2:強制延長された中央移動平均線)

上図2の解説に移る。

  1. これは図1と同じものだが、中央移動平均線を強制的に今日まで延長してみた。しかしこうして強制延長された移動平均線は、徐々に観測データ数が本来の半分にまで減ってしまう。その上観測枠の半分だけ遅効性が発生し普通の移動平均線と同じになるという欠点が生じる。
  2. その為に三叉点は機械的に見事に推定されて描画されてはいるが、この推定は間違っている可能性も十分ある。熟練した目にはこのE点は低すぎるように感じられるだろう。

画像:図3:三叉点Cを対称点とした回転対称、図4:三叉点Eによる回転対称
(画像:図3:三叉点Cを対称点とした回転対称、図4:三叉点Eによる回転対称)

  1. 上図3は三叉点を高めに目測推定した場合である。このチャートにはC点を対称点とする回転対称が手書きで描かれている。描画当時私はまだ熟練には達していなかった為か稚拙さが目立つ。
  2. 上図4は、図2で定めた三叉点Eを対称点とする価格変動予想図である。図3と図4を比較する事で、三叉点の位置によって将来の予想図が大幅に変わることが良く分かる。対称点を上下に移動させると、未来予想図は移動幅の二倍の振幅になって過敏に反応する。それが天底水準の推測を難しくする。
  3. しかしながら将来の天底(転換点)のタイミングにはそれ程大きな変化は現れない。このことは覚えておく価値がある。

以上の様に三叉点の位置を推定する作業には、移動平均線の延長をどのように定めるかが決定的な役割を果たす事が分った。

対称点(三叉点)を機械的自動的に探り当てる

既に明らかなように未来予想の鍵となる対称点の機械的な特定は難しい。しかしとりあえずそれをプログラミングして自動化すると練習用のツールとしては役立つかもしれない。そこでエクセルでそれを試みてみた。

次に示すのは第2章で紹介済みの擬似市場価格変動に被せた3重の中央移動平均線である。これに回帰線(黒色点線)と、擬似サイクルオシレータ(二つの移動平均線の差、白色細線)を併記した。回帰線は超長期のサイクルを現しているものとする。

画像:価格変動、中央移動平均線、回帰線、周期指数
(画像:価格変動、中央移動平均線、回帰線、周期指数)

中央移動平均線の強制延長

次に三叉点の予想を試みる。まず平均計算セルを最終データ(今日のデータ)まで延長して普通の移動平均線になるまで強制的に描画した。さらにそれを強制的に未来のセルまで延長して、明日以降の領域にも描画してみた。それが下図である。

本来の正しい中央移動平均線は太線にて、強制的に延長計算されたものは細線で区別してある。この例のように時々三叉点の予想に成功している様に見えることがある。細線が最後に同時交叉している点がそれである。ここを軸として回転対称形を描けばよい。この予想を根拠に予想安値を買い、予想高値を売ろうと試みる。回転対称計算のアルゴリズムは文末Appendixに書いておいた。

回転対称形を使って未来の道筋まで示すのだから、如何なる他者の予想よりも過激に未来に向かって踏み込んだ予想となる。一見無意味で陳腐な予想とも思えるが、ここまではっきりと予想を立てると、予想が外れた時にもいち早くそれを自覚できるという大きなメリットがある。間違うならこの上なく明瞭に、恥ずかしいほど見事に間違うべきなのだ。

画像:中央移動平均線を強制的に延長した結果の三叉点
(画像:中央移動平均線を強制的に延長した結果の三叉点)

多項式近似曲線の応用による三叉点の発見

更に精細な予想の未来延長の一例として、エクセルの多項近似曲線の機能を応用した手法を次に掲げる。グラフ上の擬似価格変動線を右クリックし「近似曲線の追加」を選択>種類>多項式近似と進む。

次数を2から6に設定する。下図の例では2次、4次、6次の3例を掲げた。次数とは、観測データの中に幾つのセットの山と谷を検索すべきかを事前に決めておくことである。詳しくはエクセル近似曲線の解説を参照する必要がある。曲線の計算方法は回帰線と良く似ており、回帰線の曲線版と考えれば良いだろう。

画像:エクセル、近似曲線描画機能を応用した三叉点予想
(画像:エクセル、近似曲線描画機能を応用した三叉点予想)

次にオプションタブ>予測に進み、前方補外を30区間程度に設定する。さらに「グラフにR-2乗値を表示する」を選択する。上図右側に表示された数値がそれであり、カーブフィットの度合いを表示する。多次元であるほどカーブフィットが高くなるので値は高まる。しかし逆にカーブフィットの感度が高すぎて、受け入れ難いほど急激な暴落や暴騰を予想する事もある。上図青色線がその例である。

この近似曲線の出力であるが、私が米国のプログラマーからネットを経由して購入した最新のサイクル未来投影方式であるSSA(第2章参照)と図形的にかなり似たものである。欠点も長所も似ていた。

F9キーを押し続けると非常に面白い予想に頻繁に遭遇する。例えば下図がそうだが、赤線と青線の際立った予想の食い違いに注目した。これは4次と6次の計算方式の違いによるものであるが、言い換えるとタイム・パラドックスの典型的な例と言える。

タイム・パラドックスとは、観測時間枠の大小に左右されて相場が強気に見えたり弱気に見えたりする矛盾を指し、テクニカル分析の無効性を強調する最も有力な主張の一つである。

だからと言ってこの手法は当たらないと解釈すべきではない。市場観測が分かれていると解釈すべきである。ブレークアウトはこのような市況から発生しやすいのかもしれない。といった具合に空想の連鎖を広げていく。

画像:予想の食い違い
(画像:予想の食い違い)

以上三つのチャートを盛り込んだエクセル・シートは次の行からダウンロードできる。

3CMA延長と近似曲線比較.xlsをダウンロード

以上が対称点を探り当てる手法とその練習教材である。この先は冒頭で述べたように付録のAppendixである。お疲れ様。

次回はシステム取引収益向上の見地から、対称性という概念がどれほど役立つのか、驚くべき調査結果を報告したい。
「間奏曲(3):売買ストップの原型を捜し求めて」をお読み頂きたい。

APPENDIX(第3章付録)

一次対称の定義

前回は一次対称、二次対称という私が学校で学んだ呼び名を使ったが、最近はこういう言い方はしないらしい。

一次対称は線対称もしくは鏡対称(鏡面対称)と呼ばれる事が多い。線対称の線とは対称軸の事で、この軸で図形を折り返した結果が一致する時に線対称であると呼ぶ。視覚的イメージの見地からは鏡対称が最も分かりやすい表現だろう。鏡の中に写った図形は常に線対称である。

鏡の中では左右が折り返されている、若しくは裏返しになっている事に注意する。鏡に向かって「右手」を差し出し、向こう側の私の手を握ろうとする。一見向こう側の私は「左手」を差し出しているように見えるが、そうではない。試しに右手にマジックペンで「みぎ」とひらがなで書いてみよう。

私が握ろうとしている向こう側の手にはマジックペンで「みぎ」と書いてあり、左手では無い。しかもその字は妙にひっくり返った裏文字になっている。つまり手が触れ合う点を中心として、私自身が左右折り返されて向こう側に投影されているのである。

この事は時系列データの対称形投影においては、価格の出現順序の全てが逆転して入れ替わってしまう事を意味する。

気の弱い方、直ぐに切れる方はこの思考実験はしない方が良いと思う。非常に混乱しやすく、予期出来ない健康上のリスクに晒されるかもしれない。しかし数学好きや芸術愛好家なら、逆に面白い思考の遊びと感じるかもしれない。アリス・イン・ワンダーランドはその様な世界を描いた古典的名作である。

二次対称の定義

二次対称とは、一次対称で使用した鏡映像を、一次の鏡に対して90度の角度に立てた二枚目の鏡に映した映像である。このような古臭い言い方をするよりは、現代風に点対称もしくは回転対称と呼んだ方が分かりやすい。点対称とは、対称点を中心として180度回転させた図形を指す。回転させるので回転対称というわけだ。アダムセオリーはこれを実に巧みに習得させる教材である。

「中心点を探し求める」手順が本章の主題となっているので、点対称と呼ぶのが最も目的にかなっている。そこで点対称と呼ぶことにした。文章の内容に応じて二次対称とか回転対称という呼び方も使うことにする。

この二つの対称形をチャート上で自由自在に正確に思い描くことが出来れば、それは楽器を自在に操る演奏家と同じ様な熟練に到達した事になる。演奏家の人生の大半は一見つまらない音階と分散和音の機械的な反復練習に費やされる。それが美しく感動的な演奏をする早道なのだ。チャート読みも同じ事で、日々たゆまなく努力して対称形を目に覚えこませる事が非常に役立つ。

変動率を回転対称する。変動差を回転対称するのではない。

さて、もう一度2章の最後から二番目の実例チャートを仔細に観察してみよう。

画像:図1はマルク円の中央移動平均線チャート、図2は点対称描画予想図
(画像:図1はマルク円の中央移動平均線チャート、図2は点対称描画予想図)

図2(上図の下半分)の方を見ていただきたい。この図は矢印を中心点とする点対称となっている、と第2章で書いた。ところが、さらに細かく観察すると絶対的に正確な対称形ではないことにお気づきだろうか。それを裸眼で見分けることが出来るだろうか?

実はもし皆さんがこれを自分でプログラミングしてみると、上図と全く同じ図形を得ることは出来ないはずだ。煩雑になるので前回は説明を省略したが、この対称は単純な図形的点対称ではなく、各データ間の変動率が点対称形になるように計算作図してある。

皆さんがプログラミングする場合は、恐らく変動率ではなく変動差で対称形を計算するように作るはずである。そうすると困ったことが色々起きる。例えば点対称で投影されたドル円がゼロ円を突破してマイナスになることすらある。この矛盾を解決するには、あたかも「対数Y軸表示」されたチャートであるかのように図形を描く。変動差ではなく、変動率で対称形を計算すべきである。

アダムセオリーはそこまでは踏み込まず、最後まで単純な変動差対称を追及した。厳密には誤りであるので注意していただきたい。長期に渡って激しく変動する価格変動を扱うと直ぐその事に気づく。

あえて言うと、上図にも実は不備がある。オリジナルの過去データは対数表示ではない普通の表示である。ところが点対称で計算した未来データは、擬似対数表示である。これを同一のチャート上に並べてあるので矛盾する。過去も未来も全てのデータを対数表示のグラフに描画すべきだったのだ。

マクロだけでエクセルに擬似対数表示のグラフを作成するには、次のようなアルゴリズムになるはずである。(エクセルの対数Y軸グラフ表示機能は使わない事とする)。

  1. 今日のデータから過去に向かって時間に逆行するようにデータを読み取り、今日から未来に向かってそのまま書き留める。これを描画してみると鏡対称が得られる。
  2. 得られた鏡対称は一次対称なのでもう一度ひっくり返して二次対称(点対称、回転対称)にする必要がある。それには得られた鏡対称の未来データの時系列に沿って変動率を計算し、プラスマイナスを逆転させる。その逆転変動率を時間の流れに沿って読み取り、今日のデータを起点(対称の中心点)として未来に向かって順次「掛け合わせて」いく。その結果を描画すると回転対称(=点対称、二次対称)が得られる。
  3. アダムセオリーでは手書きの原始的図形処理で、手間隙を懸けた挙句この図形を描くことになる。私はこちらの方も是非試した方が良いと思う。目で見ることと手で見ることでは習得できる事柄が異なるように思われる。

第VI部:逆張り 第3章:対称点を探り当てる、 田中 雅 2010年4月23日