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緊急レポート
相場の分岐点になる可能性がある場面など重要な局面にレポートを更新
更新 08/04 03:10
---「豪ドルと「NZドル」では『豪ドル』に軍配?!---
豪経済とNZ経済における格差が如実になるにつれ、豪ドル/NZドルは上昇している。以下ではその格差の内容と、今後の動向を概観したい。
【明るい豪経済】
決してバラ色のものではないが、経済データが示す豪経済の状況は他国のそれに比べ、暗くはない。昨年第4四半期GDP(国内総生産)は-0.6%とマイナス成長に陥ったが、今年第1四半期は0.4%となり、事実上リセッション(景気後退)を回避した。この第1四半期にプラス成長を確保したのは豪や中国など、世界でも数えるほどしかない。こうした背景には、サブプライム問題に端を発する金融危機の影響を他国ほど受けなかった事や、政府による120億豪ドルにおよぶ景気対策、そしてRBA(豪準備銀)による断続的な利下げの効果が挙げられる。RBAは2008年9月から今年4月までに合計4.25%(7.25%→3.00%)もの利下げを実施している。【暗いNZ経済】
豪経済のそれに比べ、NZ経済の状況は暗い。NZのGDPは既に5四半期連続でのマイナス成長を記録し、リセッションの長期化が懸念視され始めている。RBNZ(NZ準備銀)がインフレターゲットの指標としている消費者物価指数(前年比)も第2四半期は1.9%と第1四半期の3.0%から減速し、前述のインフレターゲット(1-3%)の帯域にスッポリと収まっている。ターゲット内に回帰したのは2007年第3四半期以来の事であり、これは利上げの必要性がない事を意味する。RBNZも7月30日の声明文において「2010年まで政策金利は現在の水準か、現在以下の水準と予想」とし、現時点において利上げの意思がない事をハッキリと示している。【通貨高牽制の有無】
8月4日時点で、RBAや政府関係者からの通貨高牽制は聞かれない。それどころか、7月27日にはクリーン貿易相が「豪ドルの上昇を懸念していないと述べている。一方のNZからは、RBNZが7月30日の声明文で「NZドル高は経済リスクをもたらす」とし、語気を強めている。また政府からも同様の牽制が聞かれ、イングリッシュ財務相は「輸出の伸びを促すため、NZドルの下落が必要」(7月23日)、 グローサー貿易相は「NZ政府は自国通貨の対米ドルでの強さを懸念」(7月21日)とコメントしている。豪と比べ、NZは中央銀行、政府双方が通貨高への懸念を発している。【リスク要因は?】
豪ドルには今のところ通貨高牽制がなく、NZドルにはそれがある。豪経済には利上げ期待があり、NZドルにはそれがない。こうした格差が豪ドル/NZドルを押し上げているが、これに冷や水を浴びせかねないリスクも存在する。まずは、今週6日に予定されている7月豪雇用統計がそれにあたる。豪の失業率は5.8%と2003年10月以来の悪水準にあり、更に悪化するとの懸念が根強い。RBAも7月21日の議事録で「労働市場はしばらの間弱い状態続く」とし、ラッド首相も「豪国民は失業率の増加に直面している」(7月29日)としている。また、今週7日にはRBAが四半期金融政策報告を公表するが、こうした労働市場の悪化を理由に市場の期待ほど明るい見通しを示さない可能性も除外は出来ない。明るい期待が先行している分、そうした”期待からの乖離”が豪ドルにとってはリスクとなる。一方のNZドルにはそうした期待が先行していない。換言すれば、悪い材料は織り込み済みであり、仮に経済指標などに好材料が出た場合、期待がない分好感される度合いが大きいかもしれない。【豪ドル/NZドルの今後は?】
NZドルには通貨高牽制が付随しているが、これは対米ドルに対してもの。NZのグローサー貿易相は「NZ政府は自国通貨の対米ドルでの強さを懸念」(7月21日)としており、ここからも政府は対ドルを注視している事が読み取れる。豪ドル/NZドルではむしろNZドル安であり、RBNZにとっては懸念はない。前述の種々の格差を背景に、豪ドル/NZドルは上値を追う可能性が高いか。豪ドル/NZドルは今年3月と4月に付けた1.2940水準(今年最高値)が上値の目処となるかもしれない。ご注意事項
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